うばたまの闇を聞きなす時鳥
不如歸夢のうつつを醒ましけり
杜鵑寝覚めの耳にまろびけり
聞きなしを寝覚めの床に霍公鳥
それは不思議な感覚だった。
昨夜、というより今日の未明だと思うが、夜中の微かな意識の中にまぎれもなくホトトギスの声が聞こえてくるのだ。幻聴ではないと確信するが、暑くて窓を開け放っているので聞こえたのだろうか。
果たして夜中の何時頃だったのか、それすら覚束ないほどの意識のなかで何度も何度もホトトギスの声だけが聞こえてくるのだ。
「ああ、まだこの近くにいるんだな」と思ったのもつかの間、すぐに眠りに落ちていったようで目覚めたのはいつもの時刻だった。
ホトトギスですか。いろんな字が当てられるのですね。
和歌やいろんな文書で名前だけは知っています。
でも実際どんな鳥かもちろん鳴き声も知りません。
YOU TUBEで調べてみたら鳴き声も美しく姿も目こそした鋭いですがきりりとスマートでした。
そのホトトギスが夢かうつつに現れましたか、不思議な感覚ですね。
ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞ残れる
ひょっとしたら有明のホトトギスだったかもね、そう信じたいです。
昨年ホトトギスという花を友人からいただきました。
まだ咲いていませんが間もなく咲きそうな気配です。
どんな花か、どんな鳥か興味ありますね。
まさに百人一首の世界だったんですね。
払暁の刻、多分4時頃じゃなかったのかな。最近は朝早い時間にしか聞けません。しばらく聞いていなかったので、さらに北へでも渡っていったのかと思ってました。
平安朝の貴族たちは時鳥(鳴き声)をとくに愛でたようですね。枕草子や源氏物語にもいろいろでてきますね。
この世とあの世を行き来できる鳥とされていたのが不思議です。
鳥のなかでもこの鳥ほど様々な漢字があてられているのは他に例をみません。
保登等技須、杜鵑、杜宇、子規、不如帰、蜀魂、帝魂、沓手鳥、妹背鳥、うない鳥、橘鳥、あやめ鳥、あやなし鳥、早苗鳥、魂むかへ鳥、卯月鳥、死出の田長、郭公、時鳥などがあります。
それぞれの文字を見るとなるほどと頷けます。
まだ暗いうちから鳴くというあたりに不気味さをも感じます。そういうところが「あの世と行き来する鳥」というイメージと結びついたんでしょうか。
万葉集でも153首になるそうです。30分の1!
我が町でも、難波道で、
が詠まれています。
ホトトギス、けっこう特徴のある鳴き声ですからね。幻聴ではないでしょう。
南天さんが列挙されてますが書き方(読ませ方)こんなにあるのですね。驚きです。
源氏には何度も出てきますが百人一首で詠まれているのはskyblueさんが挙げられた一首だけ。チト不思議です。
託卵というわりにずる賢い性格があるので、雅ではないという理由で選ばれなかったのかも?
ホトトギスの鳴き方は特徴があり”トッキョキョカキョク”という言い方をされますが、本当に似ていますね。
以前信州の蓼科高原のホテルに宿泊したときに、早朝から鳴いているのを聞いたことがあります。
澄み切った空気と周辺の林にこだまして、高原のリゾートホテルに来たなという印象でしたね。
けっこう周りに響き渡る声なので、高原ではさわやかに感じることでしょうね。