ファイティングポーズ

子蟷螂太々しさの片鱗も
子蟷螂葉かげに退路もとめけり
逐われては逃げるにしかず子蟷螂
蟷螂の子も欲しげなる迷彩服
蟷螂の子のもの陰に安んずる
糸ほどの斧とて武器に子蟷螂
糸細工ごたる五体も子蟷螂
攻防の両の構へも子蟷螂
ファイティングポーズしてみせ子蟷螂
正対の構へ隙なく子蟷螂
蟷螂の子また群るるをよしとせず

カマキリは生まれたらすぐ一目散に散って物陰に姿を消すそうである。

残念ながら卵から孵ったところは見たことはないが、どうやら蜘蛛の子とちがって生まれるのにもいくらか時間差がありそうだし、生まれても当たり一面をうろついている蜘蛛の子とは違うようである。だから一斉に逃げ散るさまを言うのには、「かまきりの子を散らすように」と言ったほうがより的確で正しい表現なのかもしれない。

葉隠れの蟷螂の子

もう6月に入ったので生まれてからは幾分時間がたっていると思われる。だから、先日発見したのは当然ながら親から自立して独りの力で生きてきた子なのである。見つかってしまった時は「しまった」とでも言うように紫陽花の葉陰に逃げ込んで様子をうかがっているかのようだ。なおもレンズを向けてみると、身を固くするようにしてファイティングポーズをとるのであった。
あの糸のような頼りない鎌が、本当に役に立つのかどうか実際のところは分からないが、立派に生き延びているところをみればそれなりに役割を果たしているのだろう。

“ファイティングポーズ” への4件の返信

  1. 蟷螂生(かまきりしょうず)第二十五候で6日から10日頃とありますから丁度今頃なのですね。
    実際に見たことはないですが植物に産みつけられた卵から孵化するのですね。
    我が家ではベランダの天上部分に蜘蛛の巣が取っても取ってもすぐ張りめぐされて困っています。
    蜘蛛の巣が棲みついているみたいで何か好物でもあるあるのかしら?

    1. 言われてみればそうですね。蜘蛛の巣は不思議に同じ場所に張られます。風の通り道、餌となる虫の通い路、身の保全、などなど条件が揃う場所って限られるのでしょうか。

  2. 写真うまく撮れてますね。それと八つ並んだ句、子蟷螂の様子がよく分かります。今草むらをかき分けるとショウジョウバッタの小さいのが出始めています。

    1. そうですね。芝生などを撫でますとピョンピョン飛び出してきます。今は小さくて草の根元を這いずり回ってますが、やがてあんなに大きくなるんですね。

      かまきりの子の目撃は折角のいい機会なので、できるだけ様子を詠んでみようと頑張ってみました。まだまだ主観も混じって、言い足りてませんが実力はこんな程度です。現代俳句風にはなかなか詠めません。

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