尾を引く声

初蜩聞きとがめては朝の井戸
蜩に風呂に水張る夕べかな
大庇下に座しては夕蜩
山里の昏るるは早し夕蜩

蜩の声を聞けば秋の足取りを肌で感じることができる。

朝まだきの鳴き始めであったり、暮れゆく夕の鳴きおさめどきには特にその感を深くするものだ。
住宅地にあってはなかなか耳にする機会が少ないが、ちょっとした里山に行けば今頃は大合唱。
長々と尾を引きながら、初秋の夕暮れを演出してゆく。

“尾を引く声” への2件の返信

  1. 友人を見送る田舎の夕暮れ時、ひぐらしが山と川の間から「かなかな」と鳴いていた。
    都会ではなかなか聞けない鳴き声は郷愁を誘う。
    水の少ない川には大きなシラサギが何かを狙って羽をばたつかせていた。
    今度行く時はもうすっかり秋の風情を醸し出しているのだろうか。

    1. お盆に父母の田舎に帰ると、山間の集落は蜩に包まれていました。なんとなく寂しさを伴う鳴き声に夏の名残を強く感じたものです。
      暑い秋ですが、夜の涼しさは夏の疲れをいやしてくれそうです。

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