竹騒に耳研ぎ澄ます初音かな
竹騒に調子半ばの初音かな
犬も歩けば棒に当たる。
冷たい風をついて外を歩いたがその甲斐は十分にあった。
畑で抜いた葱や大根などをぶら下げながら帰る道々、信貴山から流れ出す川べりに沿って竹林がもはや手をつけられないほど茂っているのが続くところに出る。
風でざわざわ騒ぐ真竹の擦れ合う音に混じって、本調子半ばという具合の鶯の鳴き声がはっきり聞こえる。当地より数度気温が低いと言われる榛原でさえ半月以上前には初音の報があったので、当地のものは相当練度が上がってきていたとも言えようか。
これより半年以上家の近くの八幡さんの杜から、信貴川沿いの竹林から、朝に夕に佳い声が慰めてくれそうである。