落ち目

炎天に伊賀の訛を聞きにけり

三日続けての病院がよいの中日。

今日は歯科の定期診療。上手に歯磨きできてると言われて子供のように喜ぶ。
その足で、スーパー跡にできたホームセンターへ開店セールのバーゲンへ。この地方としては品揃えもスマートで、品ぞろいもよさそうだ。おかげでメジャーのオールスターゲーム、大谷翔平君のスリーランを見逃した。
それにしてもいい天気。予想通り奈良盆地は梅雨明け状態となって水銀柱(古るッ)もうなぎ登り。ついでだからと、午後からは伊勢の方へ。
自宅に帰ったのがもう夕方で、運転の疲れか、往復3時間で腰は痛いは、眠いはで、あれほど長距離運転が苦にならなかった体もすっかり落ち目のようである。

火も亦涼し

炎天を来て住職の背の正し

一足早い盆供養。

昨年副住職から住職になられてますますご多忙になられたのであろう。
例年お願いしている盆供養が新盆よりさらに10日も早い日程となった。
いつも思うことだが、この方はいつお出でになっても汗ひとつ見せず、常に涼やかな佇まいでおられる。
毎年冷たい飲み水を差し上げるのだが、いっさい口にされない。何軒も参られるので控え目にされているのであろうが、やはりお山で厳しい修業をされてきたたまものであろうか。
凡人にはとうてい真似できることではない。

かちかち山

炎天の尻突きあぐるバイクかな

ちょっと駐車しておいただけなのに。

尻が焼けそうに熱い。
最近は菜園の行き来に原付を使うことが多いので、毎日のように熱い思いをしている。
原付のかちかち山に鍛えられて尻の皮が厚くなってきたような気がしないでもない。

体たらく

炎天の瓦礫の山に立ち向かふ
汗つたふ戦闘服とヘルメット

明け十日。

炎帝の支配のもと、水まだ引かぬ町、道路、壞れたままの家。
この荒梅雨がもたらした炎熱地獄に、行方不明者の捜索、泥かき、後片付けに追われる被災地。

被災地の地獄を思えど、昼過ぎに早くも音をあげてエアコンにすがる体たらく。明日はわが身かもしれぬのに。

義援金は被災者に、救援金は復興に使われるという。せめて貧者の一灯を。

ハーレー

炎天の股突き上ぐる単気筒

停まると「熱い」。

夏のオートバイは走っているときは爽快だが、停まると熱気が股の下から上がってきて汗が噴き出す。
エンジンむき出しだから、当然といえば当然だが、ちゃんとしたライダーは安全のため肩当てや肘当てのついた長袖シャツ、膝当てのあるライダーパンツに身をくるんで、その「熱さ」を乗り越えてツーリングを楽しんでいるのだ。
ハーレーダビッドソンの単気筒独特の、あのドドンドドンという鼓動を響かせながら、おじさん達が二列縦隊で行儀よく交差点に並んでいる姿は、どこか滑稽だが格好いい。