鳥害

汗のシャツ朝に替へては昼もまた

汗に風が心地いい。

さいわいにも風があって野良が苦にならない。
午前中そして午後から、日に二回も汗をかいて今晩はぐっすりと眠れそうだ。
昨日夕立がきたので二日ぶりの野良だが、最盛期の胡瓜がお化けになってしまっていた。
鴉にいたずらされた区画もあって、これから収穫を迎えるトウモロコシやトマトも安閑としていられない。

黒い土

老の手に塩吹く汗のありにけり

塩になるほど汗をかいたのは久しぶりだ。

恒例のZOOM句会が早く終了したので、夕方の二時間ばかり菜園に出て西瓜などを植えた。
農作業というのはなにごとも午前中の方がいいのだが、八時を過ぎるととても暑さには耐えられそうもない、かと言って早朝というのはいろいろやることもあって、その二時間の確保をしようと思えば4時頃から始めねばならずちと難しい。
そこで午後、それも夕方の二時間ほどとなるとやはり4時ごろからということになる。これなら暑さもだんだん和らいでくる時間帯なので意外にはかどることになる。
とは言え、今日などはスコップを持ったので汗が流れた。皺だらけの腕に塩が浮き、さらに濡れて黒い土にまみれて我ながら満足の帰宅であったと言える。

肥やし

お気に入りなれど綿シャツ汗引かぬ

間違って綿のTシャツを着てしまった。

静かにしているうちはいいがちょっと動くと汗がでるのは当然で、いつも吸汗速乾の新素材を着ているので苦にならないのに、汗が体にまとわりついてたちまち不快を覚える。
箪笥をのぞけば綿のTシャツが山のようにあるが、ほとんど袖を通さないものである。それなら捨てればいいのだがどれも思い出のあるものばかりで簡単に整理ができない。
新素材3枚で着回す夏がすっかり定着して10年以上。箪笥の肥やしとはこういうことか。

一時間

身ぬちの塩吹き出しやまぬ汗の腕

風が止まった。

止まったらいっぺんに汗が噴き出してきた。汗が腕をつたってしたたる。
ここまで流れる汗をかくとむしろ心地いい汗となる。動かないときの汗はべとべとして不快になるのに、これはさっぱりとしている。
ただ体温がぐんぐん上がってくるので、一時間の作業が限度だ。無理しない。無理しない。
雨でいっせいにはびこった草の予定の半分も刈れなかった。

刈払機

空調機掃除の埃汗まみれ

終日曇かと思ったら急に晴れてきた。

晴れたらいっぺんに気温が上がって、蒸し暑さが一気に満ちてくる。
今夜熱帯夜になったら大変だということで、急遽エアコンの掃除。ちょっと念入りにはじめたら奥のほうが真っ黒である。もうこうなると途中で投げ出すわけにはいかない。クリーニングシートがすぐ真っ黒になり何枚使ったことか。
一時間以上はかかったろうか、やっと試運転となっても残した真っ黒な埃が出てくる出てくる。
午前中は10年ものあいだ雨ざらしで動かなかった刈払機を、キャブレータオーバーホールなど何日かかけて整備した最後の仕上げ。祈るような気持ちでテストの紐を引けばぶるんとエンジンが反応する。あとは刃や燃料を買って回してみるだけである。
シェア畑だから持ち分の畝を刈るためとは言え家庭菜園もなかなか大変である。

緊張感

軍配の返るを待たず玉の汗

横綱白鵬の汗がすごい。

仕切りの制限時間の間にみるみる汗が吹き出してくるのだ。
ほかのお角力さんはどうかというと、夏だというのにテレビ画面で確認できるほどの汗をかいている人はまれである。
エアコンが効いているからというのがあるだろうが、それでは白鳳の汗は説明できない。
思うに、仕切りの間の集中力ではないか。最近は制限時間いっぱいになっても待ったをしたりする例が多く、かつてのように時間内に両者が立ち上がるということは先ず見られなくなった。仕切りに緊張感が欠けているにちがいない。
白鳳は練習熱心と聞く。あの土俵での仕草は横綱としてどうかと思うことがあるが、あの強さはやはり並みの精神力ではない。
日本人力士よ、負けるな。

厄介になる

接客のマスク欠かせず汗まみれ

いっぺんに汗疹ができた。

比較的涼しい梅雨に体が馴染んでいたせいか、急に猛暑日がつづくとあちこちが痒くなった。
最初は虫かと思ったが、どうやら汗疹のようで体がすぐに悲鳴を上げだしたのだ。
風呂上がりには天花粉をしっかりはたいているが、朝にはもうべたついて効果が続かない。
こんなときに、防疫のためとはいえマスクして接客に当たらざるを得ない生業のひとたちはほんとうにごくろうさまである。
医療や介護、とくに在宅介護サービスなど必ずしも万全とも言えない環境で間近に人と接する業務は並々ならない苦労があろう。
できるだけそんなお世話になりたくないとと思いつつも、これだけは避けて通れない道。
健康を念じてこの夏を乗りきらねば。