気が抜けない

念強く猛き八月やりにけり

暑い暑いと嘆いた八月も今日で終わる。

通常なら九月の声を聞けばもうすっかり秋だなあと思ったのは、もう十年以上も前の話しだろうか。
2010年くらいに東京での真夏日の記録となったことを思い出すが、いま思えばあれが今日の炎熱列島の始まりだったのかもしれない。今はむしろ猛暑日記録のほうが話題に上ることが当たり前となったのは隔世の感がある。
九月も半ば頃までは太平洋高気圧が出張って暑い日が続く予想だと聞く。
今までの暦感覚では乗りきれない夏。適度な緊張感からまだまだ抜けない日が続く。

風前の灯火

八月や過去最多聞くいくそたび

歯止めがかからない。

当然だろう。国民に自粛呼びかけするだけで、政策らしい政策は何ひとつ打ってないのだから。
ほんとうにこのままでは自公政権に殺される。
首都圏に勤めている子供たちの命が風前の灯火であるのが辛い。

乾いた音

八月六日鐘鳴らす町ならぬ町
風炎の山吹き降ろし原爆忌

朝の一仕事が終わって一息ついていると放送があった。

行政の無線放送だ。テレビの中継に2秒ほど遅れるタイムラグがあるところは愛嬌だが、町民に黙祷を呼びかけている。
町によってはチャイムであったりするようだが、当町はどうやら広島の鐘の録音じゃないかと思えるような乾いた音に聞こえた。
それぞれの自治体ごとにこの日を悼むやり方があっていい。
個人もまた、それぞれのやり方で向かい合うがよいと思う。

常ならぬ八月

八月は母と同居で始まりぬ

八月や母と一つの屋根のした

母の退院を機に奈良に呼ぶこととなった。

療養が必要とはいえ、まだ体の自由がきくし、緊急の事態が迫っているわけではないので、担当医と当事者を交えていろいろ相談した結果、慣れてもらうためにも早く来てもらったほうがいいと判断したからだった。
高齢者医療制度が意外に手厚いのにも救われた気がする。

これから決して平らな道ではないだろうけど、家族で力合わせて乗り切れればいいと思う。

昨日、日中気温は35度くらいになったが、午後湿度計をみると26%を指しているのでびっくりした。
空はあくまでも青く、照る日差しは強烈だったが、雲は昨日のような入道雲、夏雲ではなく秋の雲。
まもなく立秋。静かに秋が忍び寄ってきている。