じゅじゅ

椋鳥のひしめきあうて冬に入る

気がつくと椋鳥の集団が家の前の電線という電線に止まっている。

正しくは電線も電話線もいうことだが、100羽ではきかない数があの特徴のあるジュジュという鳴き声を発してはくっつくようにして犇めいている。30分ほどはいたろうか、そのうちの一画が飛びたったかと思うと信貴山の方へ向けて一斉に飛びたった。
椋鳥は晩秋などに一団となって街路樹や電線に止まることがあるが、あれはいったいどう言う意味があるのだろうか。

指が攣る

ジャムを煮る鍋ふつふつと冬に入る

立冬。

まだ金木犀の香りが残る冬である。かつての感覚からすれば季節は一か月ほどずれているのかもしれない。
庭の柚が色づいたので収穫したら4キロほどあった。さらに菜園オーナーから1キロほどをいただいたので、今日はジャムづくりである。家人が手を痛めているのでナイフを持つのは私。
5キロのうち4キロをジャムにするのだが、馴れないこともあって指が何度か攣りそうになる。おまけに終われば肩もえらく凝っていた。あとの処理は家人に任せ、この稿を書きながら台所の音を聞いている。

盆地の盆地

日時計の影のやはらめ冬に入る

フライイングだが、まさに今日などは冬の朝。

朝の気温は10度を切ってぴんと張り詰めた張りつめた空気が漂う。
昼間は気温が上がるからとシャツにダウンベストだけで出かけたら、思いのほかに寒くて失敗したと思った。
それでなくとも盆地より宇陀は3度ほど低温なのに迂闊なことだった。
今日は宇陀水分神社吟行の日。
菊鉢を見、八つ手の花を見、秋冬混交の句材満載の日であった。
今年の立冬は3日後の11月8日ということだが、今週はもう冬だと思ってよさそうだ。

急ピッチ

操舵手の見えて起重機冬に入る

校舎の姿が見えてきた。

クレーンのアームが回転しては傾き、資材を上階に運んでいる。
その動きは小さいが、確実に動いていることが分かる。
老朽化した校舎を建て替える工事だが、その期間生徒たちは不便な間借り生活を強いられている。
この分でいくと、竣工は来年間違いなしだろう。
地震もエアコンの心配もなく勉強に専念できる環境ができるまで、もうしばらくの辛抱だ。