オリオン冴ゆ

生駒嶺を越えて凍雲尾を引ける
凍雲の昏き底よりJAL機かな

抜けるような空。

耳が切れそうな空気である。
飛行機雲が縮れて薄く広がり、その先に冴え冴えとした昼寒月が中天にかかっている。
生駒から黒い雲が伸びたかと思えば、伊賀の方へ流れてゆく。東山中を通れば雪を降らせるようかである。
いっぽうの葛城と言えば、相変わらず雲の流れが乱れて里に雪時雨をもたらせている模様。
今日は鳥もひっこみがち?
コゲラ、アオジ、エナガ、四十雀、ツグミ、白ハラ、ベニマシコ、水鳥いろいろ、おなじみヒヨドリ、カラス。

夜は夜で、オリオン、昴が頭上にキレキレである。久しぶりに冬の夜空を見た。

雲の動くとき

凍雲の底を切り裂く日矢太き

厚い雲が割れて日がさした。

まるで雲の底が抜けたみたいに、そこからいく筋かの日差しがこぼれる。日矢だ。やがて底の縁が金色に輝きだすと、耳成の辺り、大和の盆地の一角がいっぺんに明るくなった。
そのうちみるみる厚い雲が動き出して、どの雲にも夕日があたり夕焼け模様を描き出した。

宇陀の榛原からの帰りの光景だ。

遠方より来たる

凍雲を衝きて遊子の古都巡り

懐かしい人が奈良にしばらく滞在するという。

冬が厳しい地方の最も寒い時期に訪れるというのは、よほど奈良が好きなんだろう。今夜一杯しようということでこれから奈良市内に出かけるが、さてどんな会になるやら。

この稿は予約投稿です。