逍遥の彼の径消ゆる出水かな
典型的な梅雨出水が西から北へ猛威をふるっている。
被害にあっている秋田の広大な米どころを流れる雄物川は私の好きな川である。
平野部に出るとおおきな高低差もないので、無機質なコンクリート護岸も見られず、川幅たっぷりに豊富な水がとうとうと流れるさまにはなぜか懐かしささえ覚えるのである。
その雄物川がいま氾濫の怖れがあるという。
もし氾濫となると稲作地帯に甚大な被害をもたらしはしないか、それが心配である。初冬には北から渡ってきた雁や雁が落ち穂をつついていたりする光景も懐かしい。
すでに右岸側の太平川によって秋田市内中心部に大きな被害をもたらしているが、これに加えて雄物川まで氾濫となるとさらに被害がひろがる怖れがある。
このまま、水が引いてくれるよう祈るばかりである。