澄んだ月

絶え絶えと虫の音細き後の月
到来の豆茹であがる十三夜
明日また洗濯日和十三夜
銀に甍かがよひ後の月

夜も引き続き快晴である。

明日もまた洗濯日和という。
十月はすっかり雨の日々だったが、11月に入った途端空の青が戻ってきた。
十三夜の月も冴え冴えと光りを放っている。ちょっと一枚羽織りたくなる夜である。急に冷え込みがきつくなったが、名残の虫も細々と聞こえてくる。
今年はひさしぶりに片見の月とならずにすんだ。とくに何を飾るわけでもなく、外へ出てしばし老眼の目をしばたたかせるだけなのだが。

送られる

旧友のそれぞれが道十三夜

大学時代の仲間に送別の「北京ダックを食う会」を開いてもらった。
二次会はみな男声合唱OBなのでごく自然にカラオケへ。
若いときから持ち歌傾向が変わらないS君、常に最先端の歌を披露してくれるKu君、昔を知るものには信じられないほど宴会部長さながらに変身したKo君、などなど、それぞれがエンターテイメント性たっぷりにマイクが次々とバトンタッチされていく時間は瞬く間に過ぎていく。
締めの「贈る言葉」に送られたあと、最後は恒例の四部合唱による校歌合唱。
卒業後40年間折にふれ何度歌ったことだろう、この先再びこの歌を合唱することはあるだろうかと思うと熱いものがこみ上げてきた。

外へ出ると雨の十三夜へと変わっていた。

後の月 雨に隠れし 別れかな

回復

いのちあるものに生気や十三夜

今宵の月は冴え冴えしている。
空気が変わった証拠だろう。
庭の草花も暑い夏を無事乗り越えて、生気が戻ったような気がする。
秋の施肥の時期が近い。