子猫の保護

保護したる子猫のあごの強さかな

全身で母を恋ひをる子猫かな

野良のみぃちゃん一家は親子の絆が特別に強い。

半年以上にわたって毎日餌を与えていてもみぃちゃんの警戒心が強く、とても捕らえられないので避妊手術ができず、とうとうこの3月と思われる時期に4匹の子猫を産んだらしい。
らしいというのは、私たち家族の前に子猫の姿を見せたのが5月に入ってからだったのだ。その後保護して手なづける傍ら里親捜しする予定でいたが、あまりにも親子の絆が強く親子を切り離して子猫だけを保護するのに手間取ってしまった。そうこうしているうちに1週間ほど前に雄のキジ虎の姿が見えなくなった。みぃちゃんは二日ほどはいなくなった子を探しに出かけていたが、とうとう諦めたらしく、その後は残った3匹に全愛情を注いでいる。

これ以上子猫の犠牲を増やさないためにもまずは子猫保護をと、罠をしかけてようやく3匹を確保することに成功した。親の気質を受け継いでか子猫たちも大変警戒心が強い。しかし時間をかけて馴らしてゆくほかあるまい。でなければ、里子に出すことさえむずかしいのだから。

残る問題は親のみぃちゃんだ。家の外からときおり狂ったようにして子供を呼ぶので、近所迷惑このうえない。今度はなんとか親猫を保護してせめて授乳だけでも室内でできないか、その方策を思案中だ。

さて、保護した子供たちは生後2ヶ月をすぎ歯もしっかり生えてきたようで子猫用のフードを与えているが、一時的にケージに移そうとしたらものすごい力で暴れだし手ひどく指をかまれてしまった。

また引っ越し

親の尾の揺るるに飽きぬ子猫かな

今朝起きたら子猫たちがいない。

昨日昼間留守にしていたあいだに何かあったのだろう。餌を食べたみぃちゃんが道路を渡って行くのであとをつけてみたら、なんとお向かいの家の勝手口あたりに子猫たちがいるではないか。屋根がついていてカラスなどからもブラインドになりそうないい場所を選んだものだ。連休中なのでお向かいさんとその両隣はお留守のようで、今のところ追っ払われる心配はないが、すぐにまた次の場所を探さねばならないだろうに。

何とか戻ってきてもらいたいものだが、さてさて何かいい案はないものだろうか。

飽かず眺む

背を丸め威嚇もして見す子猫かな

もう、しばらくは子猫の連発だ。

とにかく仕草がかわいい。じゃれあっているのも狩の練習なんだろうが、おたがいに背を逆立てて斜行しながらにらみ合ったりして、いっぱしの行動もする。親や他の子の尻尾にじゃれついたり。一日に何度もおっぱいをもらい、昼寝していたかと思うと暫くしてまた起き出しては遊び。この繰り返し。窓越しに見ているのだが何時間見ていても飽きないのだ。

みぃちゃんの子供たち

顔見せに連れ来し野良の子猫かな

毎日餌をやってる野良猫「みぃちゃん」こと「都」が今朝子猫を四匹連れてきた。

子猫たちは今、冬の間みぃちゃんのために用意していた段ボール箱の中でおっぱいをもらって昼寝中だ。三毛、キジ虎、白+キジ虎、黒と毛色も四者四様で、ちょうど生後2ヶ月くらいだから可愛いことといったら。
どうやら交通量の多い道路をわたった先の農家の納屋で育てていたらしい。最初の納屋ではオーナーに見つかり追い払われたようで、その後の行動パターンからもう子猫は死んでしまったのだとばかり思っていたので、今朝箱の中でごそごそ動く気配でそれはもう驚いたこと。子の生命力もそうだが母猫のたくましさには驚くばかりである。それに、一体どうやって広い道路を渡って四匹も連れてきたのだろうかと感心してしまう。

問題は、子猫たちの将来で、とても全部は面倒見られないのでもらってくれる人を探さねばならないこと。何しろみぃちゃんは人に対する警戒が人(?)一倍強く、毎日餌をやってる私らでさえ抱くことはおろか触らせもしないので、避妊手術を受けさせることもできなかったのである。まずは子猫を手なずけながらみぃちゃんの警戒を少しずつ解いてゆくしかないのだろう。そのうえで避妊手術も済ませなくては。
いずれにせよ、今までの場所で子育てするより我が家の庭の方がいいと判断したのだろうから、ある程度の信頼感を抱いてくれているはずだし、頼られた以上は面倒はみずばなるまい。

いやはや、何かと慌ただしい5月になりそうである。