冬の楽しみ

実南天柊千両赤白黄

玄関先が三色に彩られている。

実南天の赤、花柊の白、実千両の黄が競うようである。
一度に揃ったのはこれが初めてのことかもしれないと、出入りするたび心が躍る。
とりわけ柊の香りが今までになく甘味で、気持ちよく酔わせてくれる。
どれも冬のものだが、暖冬傾向がつづくだけに遅れることなく出揃ったのは意外である。
いつまで楽しませてくれるのだろうか。

実生

南天の玉のこぼれてゐる旦
南天の実生の苗の実をたんと

苔の庭のあちこちに鳥が落としたと思われる南天が芽生えている。

しかも、30センチ足らずの小さな苗がことごとく実を生らせている。
その赤い玉がアクセントになって、広い吉城園の景色を引き締めているのだ。
なかにはこぼれて朝日が当たりきらきら日を返しているものもある。
こうしてみていると、つくづく南天はお目出度い景に似合っているように思える。