苦み走る

根回りにあたりをつけて寒肥す

寒さがゆるんだこの日国産菜種の油粕を買ってきた。

梅や姫沙羅などの庭木に寒肥を施すためである。
樹冠の先の下あたりに根の成長点があるから、そこに届くように幹を中心にして円を描くように輪状に油粕を撒くわけである。
軽く鍬で起こして撒いては均す。その繰り返しで大小何本もの木を終えると、さっそく鵙やんがやって来ては返された土の虫を探している。鵙はなかなかハンサムで、目に黒いラインが入って苦み走っている表情が何ともイケメン風である。
ジョー君も尻尾を上下させて餌を探すが、鵙はひとまわり大きくて一目で見分けがつく。
庭にはみぃーちゃんがいるので鵙が犠牲にならないよう、ごろごろ出てきたコガネムシの幼虫は遠くに避難させることも忘れてはいけない。

生糠

園丁の袋逆さに寒肥す

業務用の大きな袋から直接庭木の根元に施肥している。

石灰と一緒に寒肥しているようだ。
寒肥は袋の文字から油粕と分かる。
本当は発酵したもののほうがいいのだろうが、まだ寒の内だから生のようである。
だんだん暖かくなるにつれ発酵が始まって春にはいいかげんになるのである。
そう言えば、家庭菜園が得意の渓山さんは生糠だと言っていた。土に混ぜ込んでやればこれも二ヶ月もすればいい肥料になるのだろう。
梅とか柿とか、花や実を楽しむものには今が寒肥の季節である。
あいにくここしばらくは雨模様ときたが。

時宜ということ

標張つて名の札打つて寒肥す

ロープで仕切られた区画が一面白い。

近づいてみると、どうやら肥料が蒔かれたらしい。
広い敷地に幾何学模様の畝が作られているのはチューリップ花壇である。
見ると、公園のあちこちに養生中の区画があり、おそらくどれも花壇のようである。
どうもわが家では、今年こそとは思いながら、結局寒さにかまけて寒肥の時期を逸することが多い。何本とないわけだから庭木くらいはちゃんと時宜を得たご飯をやらなきゃね。

梅ほころぶ

双握りずつ振りかける寒肥かな
円を描くやうに施す寒の肥

陽気に誘われて庭仕事。

以前に買っておいた油粕の粉末があったので、寒の戻りがくるまえに寒肥として樹木に与えることとした。一通り終わって気づいたのが、白梅のほころび。今日あまりに暖かかったせいだろうが、今週また冷え込むという話だからこのまま一気に開花するのではなく、また引っ込んではほころぶ、そんな繰り返しをしながら満開へと向かうのだろう。

寒い当地にも季節はまぎれなく巡ってくるのだ。

有機肥料の調達

寒肥の材料探しは産地見る

そろそろ寒肥の時期。

腐葉土や堆肥、寒肥用の油かすなどホームセンターで調達するわけだが、どうしても生産地はどこなのかをチェックしてしまう。
あえて生産地を表示しないメーカーと、それを確認する消費者と。いずれも哀しい。