クリーム色

一山に点景なして山法師

遠くに霞んだ綿菓子のようだ。

今、山法師の花が真っ盛り。
この花も梅雨を象徴する花の一つだ。
花に見えるのは、実際は、ハナミズキ同様花ではなくて「苞」の部分だが、秋には中心にある小さい花の集まりが大きな実となって目を楽しませてくれる。

第二日曜日は町内の朝の一斉清掃と自治会の打ち合わせ会議のある日。
梅雨のどんよりとした空に、ややクリーム色を帯びた白が集会場の入り口に目を引いた。

句は、矢田寺紫陽花に混じって一本の大きな山法師が印象に強い。

勝ったか負けたか

草野球チームいこふる山法師

ああ、もうそんな季節になったんだと思った。

目にも鮮やかな白い山法師が咲いている。木の下では試合を終えた草野球チームが木陰をもとめて談笑している。
勝ったか負けたか、今終わったばかりの試合の結果など全く忘れたかのように屈託ない笑い声が広がる。
紺色のユニフォームはまだ新しそうで、山法師の白と好コントラストをなしていた。

花の色、そして数

山法師影を濃くして庫裡の窓

山法師の花の色は白だが、いわゆる真っ白ではない。

どちらかというとクリーム色がかった白でしっとりした彩度があり、梅雨入り前のこの時期のしっかり茂った葉とのコントラストも相俟って目をひきつけるものがある。
古刹の庭にまわり、庫裡の角を曲がったら壁に濃い影を落とす山法師が目に飛び込んできた。
花の形などはハナミズキに似ているが、その数がはるかに控えめなところが古刹には大変好ましい。