無観客

火の粉浴ぶ声ぞなかりき御水取

今年は雑音のない御水取りである。

今日から三日間は観光客を入れないので、連行衆登壇の松明の爆ぜる音、童子の声、廊下を走る音、堂内の連行衆の沓尾とまでもが生々しく聞こえる。
ありがたいことに今年はNHKBSで生中継をしているので、松明の灯影にゆらめくシルエットが映し出され厳かな雰囲気が伝わってくる。

終われば春

松明の奥うかがへず御水取

いよいよお水取りの日が近づいた。

今月の一日から修二会の行は始まっており、あの大きなお松明は練行衆の道明かりとして毎夜上げられている。
フィナーレのお水取り当日、あるいは土日となれば、大勢の観客が押し寄せるので体力のない者にはとてもではないがお勧めできるものではない。前半の平日を狙っていけば、うまくいけば長い時間並ばずともお松明のシーンは見られる。雨や雪ならばなおチャンスは広がる。

それにしても、あんなに大きな炎を振り回して、あの木造の建物が1,200年もよくも無事にいられたものだと思う。