狼少年

御降のバスの日の丸濡らしけり

さいわい冷たい雨ではなかった。

三が日通して比較的暖かい正月で日和としてはまずまずのスタートとなったが、元日地震につづく二日のJAL機海保機衝突炎上と不吉な年明けとなった。
三日の北九州の火事などもかすむ大災害、大事故のニュースである。
地震の行方不明者はいまだ数十名と言われ、死者数は三桁に及ぶのではないかと心配される。
今回の能登半島のような地理条件の土地は三浦半島はじめ、大きくは紀伊半島、小さいものまで含めると「行き止まり」にある地は無数にある。こうしたエリアは陸上からの支援に障害が多く、海から空からなど多様なアクセスの方策が寝られて当然なのが旧態依然たる対応には凍りつく思いだ。かつてアズナンバーワンと言われた国の落日、劣化を思わざるをえない。
いまだ水も食料も配れず、自衛隊だってたった千から二千名に増員って、政府の危機管理能力、とくに迅速性において大丈夫?
狼少年のごとく国民を不安に陥れるばかりか、役にたつかどうかも怪しいポンコツ武器を高価で爆買いするより、地道に災害支援車両などの充実に使ってもらいたい。
アメリカの糸にいつまで操られなければならないのか。日の丸が泣いている。

めでたい雨

御降の音のしみゐる夜なりし

元日の夜は雨だった。

予報通りだったとは言え、夜の団欒時に突然雨音が聞こえてきていたので思わず耳を澄ませてしまった。
二重窓で外音がかなりシャットダウンされているにもかかわらず、はっきり聞き取れるということはそれなりに強い雨なのである。
元日だから人通りもなく、車の量も少ない。静かな夜である。
しっとりした夜にしみいるような雨なのである。

初湿り

御降や天気予報の外れ初

雑煮にもあきて昼は近くの廻る寿司へ。

店を出たらにわか雨、時雨のようだ。例によって葛城に日矢がかかり、まるで一言さんの御降臨でもあるかのようだ。
反して、生駒の枯れた山肌には明るい日差しがあって好対照。