余り苗

捨苗に代へたる株の幼げに

捨て苗あるいは余り苗とは、旨く根付かない苗が出た時等のために田植えの際余った苗を田圃の隅に植えておくものをいう。

今日初めてそれが用いられる場面を見た。風か何かで飛んできた大きなゴミを取り除いたあと、痛んだ株の代わりの捨て苗が植えられたのだ。余り苗というのはたいていはひとかたまりになって植えられているので、ちゃんと田植えされたものより発育がよくない。だから、捨て苗に植え替えられた一画は背が低いというのだ。
なにかしら理屈っぽい句だが、より田に近い環境で暮らしているからこそ詠める句だと思う。