珍しい鳥

日時計のぢりと進むよ日向ぼこ

寒い風を避けて日だまりの広場で握り飯を頬張る。

広場の日時計はしっかり作られていて文字盤に影もくっきりと伸びている。冬至の翌日とあって影の長さは盤をらくに越えている。その指す位置は、さっき正午の放送があったばかりなのに、いくらか南中というか中心を過ぎていて、やはり子午線の明石よりも東にある所為なのかと思ったりする。
二つ目のおかか入りのを食べていると、近くの木に珍しい鳥が止まった。双眼鏡でのぞいてみると今までに見たことのない、全体に緑がかった、ホオジロくらいの大きさだ。ずいぶん長い間観察できたが、どうみてもアオジではなさそうだ。
さいわい、今日は日本野鳥の会の人たちが探鳥会をやっているはずなので、しばらくここで体をあたためてから、尋ねてみるのがいいと思った。
しかし、写真に撮れてなく、あれこれ言葉で伝えようと頑張ってみたが、私の情報だけでは何とも分からないと首をひねるばかりだ。家で検索してみると、どうやらノジコではないかと推察。ただ、レッドブックによると準絶滅危惧種だというし、夏の渡りの鳥でたまに残るのがいるらしいが、いまだに真偽のほどは不明である。

緩い時間

よい席を猫と争ひ日向ぼこ

子猫三匹が家人に少しずつ馴れてきた。

あれこれ要求があるときは大きな声で鳴くようになったのが証拠である。一番はっきり分かるのは、朝食後のお休み処として畳の部屋を開けるように要求するときだ。
それも、今まで人見知りがいちばん強かった子が大きな声で鳴くのである。戸を開けてやると残りの子も含めて三匹が一斉に部屋になだれ込み、めいめいに日の当たる場所を占める。この和室をいままでだれにも邪魔されずに一日中時間を過ごしていた老猫ゴマちゃんにとってはすこぶる迷惑なはなしで、多勢に無勢のていで一番いい場所を明け渡したりしている。

ときに子猫を追っ払いながら自分も席取りに参加する時間の流れは緩い。

羽毛

アンテナの雀もほっこり日向ぼこ

TVアンテナに雀が10羽くらい止まっている。

そのどれもが、羽毛に空気をいっぱいためこんだ休憩モード、というより日向ぼっこモードだ。都会では随分減ったといわれる雀も当地では比較的よく見られし、我が家の庭にも必ず降りてきてなにがしかをつまんでは飛び立ってゆくのが朝の日課ともなっている。