健やか

鍵つ子は鍵つ子どうし日短

学童保育から帰宅する頃辺りはすっかり暗くなっている。

父母が帰ってくるまでにはまだ間がある。これが夏だと遅くまで公園などで遊ぶこともできるが、冬ともなると寒くて暗いので外では遊ぶことが難しくなる。
隣家の二年生も父母の帰宅までお互い留守の家を訪ね合ったりして時間をつぶしているようだが、やはり気になるものでときどき家の灯りを見るともなくチェックしている。六時になっても灯らないこともあって何もなければと願うばかりである。
さいわい、友だちは多いようで、自宅の駐車場に何台かの子供用自転車が停まっているのをみると健やかに関係を築いているように思えるのが救いである。

五割増

四本のタイヤ換えては日短

来週は一月の寒さだというので、冬タイヤに交換した。

夏タイヤを外し冬タイヤに交換するにはステップがいくつもあって、重いものを都合八本運んでは外し持ち上げ、はめて取り付けと腰の痛みとの戦いの時間でもある。
若い頃でも結構重労働だったが、古稀を超えた今となっては相当ハードである。時間も五割くらい多くかかっているかもしれない。

声聞くだけ

かの人の生き急ぐなり日短
声を聞くだけと電話す日短

朝から一日を使い切った感がある。

心地よい疲労だ。
最近エアロバイクはじめちょこちょこと体操めいたことをしているせいか、腰も悲鳴をあげないで保ってくれた。
もう少し続けてみて様子がよければ、信貴山に再挑戦してみたいものだが。
友人から電話かかってきて話し込んでいたら、いつの間にかもう夕方になっていた。

運転禁止の日

半日の眠り強いられ日短

目が覚めたら辺りはもう真っ暗。

ご飯だよーっと階下から声がかかるが食欲がもうひとつ。
それもそのはずである。
昼食のあと眠くて仕方がないから、家に帰るなりすぐに寝室に上がってしまったのだから。

今日は朝から胃カメラ検査で、睡眠剤で眠らされている間に気がつけばそのままの姿勢でベッドに寝ていた。結果を聞く間もなんとなくぼーっとしていて詳しい話は覚えてないが、「1年以内に命をなくすような兆候は何もありません」という言葉だけが聞こえてきた。
慢性胃炎らしいものがあるので、あとは紹介状を書いてくれたかかりつけ医に相談しろと言われる。
9月頃から胃もたれ感が続き厭な予感がしていたので、ほっとしたことは否めない。
やはり、この夏から踵の痛みで普段飲まない痛み止めを毎朝晩2回飲んでいたのが原因かも知れない。

今日一日は車も自転車も禁止なので、いくらかふらつきながらようやく自宅に辿り着いたら忽ち眠くなってきた。

探鳥会

探鳥会言葉少なに日短

穏やかな日和。             

こういう日は探鳥には最適だ。
ちょっとした鳥の声や音もキャッチしやすいのがいい。
最初はカラスかなと思ったが、近づいてみると明らかに啄木鳥のものと思われるドラミングだ。櫟の黄葉のまだ残っている枝を探すと四十雀やエナガの群れに混じってコゲラがいる。

双眼鏡や三脚など本格的な装備の探鳥会らしき人々も多く、みなさん必要最小限度の言葉や声量にとどめて観察に余念がない。やがて4時も過ぎるとバスの時間が気になるのか帰り支度が始まった。

遺品整理

日短や母が手跡のメモ読みゐりぬ

明日に満中陰の法要を控え仏壇を整理していたら、亡母の在りし日を思い浮かべることができるものがいろいろ出てきて全然片付かなかった。

子供たちに当てた歳暮の送り状控えの品物などを見ては「毎年律儀に送ってくれたなあ」とか、文字などを見ては「ああ、こういう字だった」、その日付を見ては「ああ、あの頃はまだまだ元気だったなあ」とかいろいろなものが去来して堪らないものが胸を満たす。