暑気払愚にもつかない談義して
幹事役いてのいつもの暑気払
献杯の一声ありて暑気払
暑気払ふ寄席の桟敷の昼夜なく
暑気払ひといっては傾ける。
いける口にはいい口実でもあるが、では、いけない口には暑気払ひできないかというとそんなことはない。
鯉の洗いに涼を感じることもあれば、切り子グラスの梅酒にも。寄席で怪談話のあとは山葵をきかせた蕎麦とか。今は使われてないトンネルや坑道を探検したり。
この探検だが、昔、津市の半田地区とか、久居との境のあたりは磨き砂の産地で、冒険に出かけたことを思い出す。今では一軒がほそぼそと掘っているだけのようだが、ホームページを見るかぎりでは限りなく細かい粒の、すばらしい、芸術的とも言える商品のように思える。
磨き砂というのは火山活動によってできるらしく、今の地形からは想像もつかない話だ。
いつのころか、坑道跡に湧く水をひいて温泉としたり、その後何百メートルも掘削した温泉旅館もあるようだ。
探検をともにした友人は若くして逝ってしまい、暑気払いをともにしたくてもかなわなくなった。