思い入れ

二児を得しころの団地の杜鵑花はも

どうも我が家のは晩生のようである。

杜鵑花というのは四月の躑躅が終わってゴールデンウィーク頃の花だとばかり思っていたが、生垣代わりのsa杜鵑花が年々咲くのが遅くなっているような気がしてならない。もう五月も終わろうかという頃に申し訳なそうに小さな花をつけている。
手入れが悪いのが主原因だろうとは言え、不思議でならない。
というのも、杜鵑花というのは子供たちが生まれたころ、団地の生垣という生垣に咲き満ちていた記憶がいまだに鮮明に残っており、思い入れの強い花なのである。
すでに半世紀がたとうとしているが、今でもあの杜鵑花は健在だろうか。庭の杜鵑花が咲くたびにそんなことが頭を過ぎるのである。

もの言わぬ花に

よそよりはちょっと遅れる杜鵑花かな

ようやく杜鵑花が咲き始めた。

世の中だんだんと花の時期が早まっているのに、このさつきだけ遅れるというのはどういうことなんだろう。
さつきというとゴールデンウィークの花という固定概念があって、今頃咲かれても興ざめの極みだが、花に花の理由があるんだろう。
主の手入れが悪いと言ってむくれているのかな。