威圧

見上げれば見下ろし返す枯木山

ついこの間まで見事な雑木紅葉を誇っていた。

それがずんずんと色を失って、夕まづめには黒い塊のような厳しさを見せている。
無駄を削いだ山の美しさが目の前にある。
第一歩を踏み出すたび目に入るその山にはすべてをお見通しであるような威圧さえ感じるのであるが。
今日は昨日とうって変わって信貴颪もなく穏やかな日だけにかえって無言の圧をもって迫られるようである。