盆地の夕凪

梅雨晴間北も南も開け放ち

真っ青な空。

梅雨晴れにしてもあざやかな色だ。
当然ながら紫外線は強烈で長時間日向には立ってられないほどだ。
室内の温度もぐんぐん上がるので、南北の窓を全開したら気持ちのいい風が通り抜ける。
ただ微妙なもので、一日のなかでも風向き、風量が刻々と変化しているのが肌でよく分かる。夕方にはちょっとの間凪があって暑苦しくなったが、風向きが南北逆に変わるといっぺんに涼しくなったり。
やはり北風は涼しい。

昔のままの

登校児つれだち駆ける梅雨晴間

久しぶりに雨のない日。

集団登校の子供たちも心なしか元気がいい。
なかなか戸から出てこない友達をじっと待つ間も賑やかに。
やっと出てきた子とさっそくの駆けっこだ。
ここにはいじめの予感は何もない、昔ながらの光景が見られた。

梅雨の晴れ間に

五月晴いよいよ昏き大峰山
まなかひの峰は異国に梅雨晴間

梅雨入り宣言の翌日の昨日は快晴。

文字通り「五月晴」である。
おまけに空気の透明度は年に数回あるかどうかの澄み具合。
おかげで、吉野、大峯の山々がいつになく黒く大きく鮮明に、ぐっと身近に迫って見える。こんな光景は真冬でもめったにないことで、当地に越してきて初めてのものだ。

しかし、考えてみれば奈良盆地からみて吉野以遠は天領、言ってみれば国の姿もまるでちがうし、人を寄せ付けがたい異境でもある。その異境の峰が平地に向けて倒れ込んでくるかのような迫力さえ感じるのであった。