自己点検

横持ちの傘の切つ先五月晴

小さな子供が怪我をする危険があるという。

歩くと知らずと傘を持った腕を振るものだが、これが後続の子供の目などを傷つける事故につながると。
なるほどと思ったのが、たまたま見た朝のテレビの警告である。
電車のなかでは傘をきちんとたたんでベルトでしっかり止めましょうという呼びかけはあるが、その使わない傘をどうやって持ち歩くかは人さまざまで、こうしなければいけないというルールもマナー上の約束事もない。
うっかり傘の真ん中を持って歩いてないか、自己点検の必要がありそうだ。

洗濯指数

学生の街の予備校五月晴

五月晴と言っても気分が晴れない場合がある。

雨だから嵐だからと言ってサボれない境遇の身にとって、逆にこの梅雨晴れ間が恨めしくさえ思えるときがあるものだ。
勤め人とて、このうえない好天気のときに満員電車に1時間以上揺られると思えば気がふさぐときもある。
素直に五月晴れを喜べないときがあるのも人生の綾だが、できれば素直に感謝できるにこしたことはない。

宗旨替え

二の腕の包みやうなく五月晴
梅雨晴やマーズムーンのランデブー
梅雨晴の月にかかりし大火星

頭上のオゾンホールが消えかかってるのではないのか。

そんなことすら思い浮かぶような日差しの強さである。
一年で最も紫外線の強い時期にはちがいないので、当たり前かも知れないが、それにしても度が過ぎているのではないか。
Tシャツ一枚で過ごせる季節だが、紫外線、赤外線は生地を貫いて肌を焼いているようで、先日などは10分ほど直射日光の下で動かずにいたら、その日の風呂ではタオルが肌にいたかった。

Tシャツは綿でと決めていたが、この分なら合繊でも何でもUV仕様なら良しとしなければならない。
火星が大接近とか。南に月がかかると、火星と並ぶ様子がよく見える。

梅雨の晴れ間に

五月晴いよいよ昏き大峰山
まなかひの峰は異国に梅雨晴間

梅雨入り宣言の翌日の昨日は快晴。

文字通り「五月晴」である。
おまけに空気の透明度は年に数回あるかどうかの澄み具合。
おかげで、吉野、大峯の山々がいつになく黒く大きく鮮明に、ぐっと身近に迫って見える。こんな光景は真冬でもめったにないことで、当地に越してきて初めてのものだ。

しかし、考えてみれば奈良盆地からみて吉野以遠は天領、言ってみれば国の姿もまるでちがうし、人を寄せ付けがたい異境でもある。その異境の峰が平地に向けて倒れ込んでくるかのような迫力さえ感じるのであった。