ふぁ〜

OBのボールころころ犬ふぐり

池ポチャにならずに済んだ。

しかし、ボールはアウトオブバウンドゾーン、OBゾーンにある。
ボールに近づくと、まわりは犬ふぐりや蒲公英に囲まれている。
OBゾーンではないフェアウェイやラフは芝生できれいに管理されているが、それ以外の藪や林の中などは下刈こそされてはいるが自然の植生である。

地上の星

禁足のロープの内の犬ふぐり

平城京跡は一面草が青み始めていた。

関連する季語で言えば、「下萌ゆ」「草青む」「踏青」「仏の座」「蓬」、そして掲句の「犬ふぐり」もある。
工事中、保護エリアなど立入が許されない場所も多いが、あの広い平城宮跡である。すべてには目や手入れが行き届かないのは当然であろう。
禁足のロープに沿って、犬ふぐりが点々と青い星をこぼしている場所も数知れずあった。足下には、地上の星、地上の小宇宙が広がっている。

星を散りばめ

弁当をどこに広げん犬ふぐり

梅見に来ていたグループがシートを広げる場所を探している。

梅園の足元はまるで星を散りばめたように犬ふぐりの小さな花が咲いていて、腰をおろすどころか足を踏み入れる所さえ見つけるのが難しい。
カメラを手にしていても足元が気になって、なかなか思うとおりのアングルが得られないのももどかしい。

もうずいぶん前から気づいていたが犬ふぐりはとうに咲いていて、これからしばらくの間ピークが続く。

挽歌

通学路拓く予定地犬ふぐり

小さい花が冷たい風に震えて咲いている。

団地住民念願の通学路の工事が始まった。現在指定されている通学路は遠回りのうえ、昔からの農家をぬける道なので狭くて見通しがきかず、父兄にとっては大変心配なことだったろう。
それが、このほどようやく行政の予算がついたようで、来年春の開通を目指してブルドーザーなどが田や畑などを次々と均している。犬ふぐりが群れ咲きしている校舎のそばの空き地も長い間ロープが張られて人の立ち入りが禁止されてきたが、ここも工事予定区間に入っているようでやがて重機が跡形もなく整地してゆくのだろう。

人の踏まぬようなスペースを見つけては自分たちの生きる場としてきたものたちも、やがて蹂躙され姿を消す。人間の近くに生きながら、その人間の都合によって左右されるものたちへささやかな挽歌を捧げたい。

足元注意

近道は閉ざされてをり犬ふぐり

いつもの散歩道が一部工事中で通行止めになっている。

ま、もともとここは何となく気が悪いような道で好きではなかったこともあり遠回りも苦にならないし、まわり道の方がかえって句材も多くありそうなのでいいのだが。

一方、河川敷ではずっと芝生部分を歩きたいのに、足を下ろす場所もないくらい、そこかしこに犬ふぐりの花が広がってきていて通せんぼをするようになった。土足厳禁だと叱られているように。
今ではほとんどが外来種でオオイヌノフグリなんだが、名前とは異なり風が強い河川敷では花自体はとても小さくて注意しないと見過ごしてしまうほどだ。

あしもとをごらんください犬ふぐり

今日は俳句会の吟行のため予約投稿です。

花とおじさん

犬ふぐり踏まれぬやうに咲けるだけ

地べたに這いつくばるように咲いている。

さらに、何かのかげで冷たい風を避けるかのように。風が厳しいところでは花も小さくて、足元をよく見ていないと踏んづけてしまいそうだ。だからなんだろうか、狭い場所に数いっぱいの花を咲かせるのは。「気づいてくれよ」と。

そう言えば、「花とおじさん」なんて歌があったっけ。

小さな花に口づけをしたら 小さな声で僕に言ったよ おじさん あなたはやさしい人ね 私を摘んでお家に連れてって。。。。