とりどりのスマホ向けられ帰り花
帰り花登りの人には見えてゐて
よもや我が日向みずきの狂い咲き
風避けの舟影まばら帰り花
風避けの浦見おろせる帰り花
人だかりがして木を見上げている。
どうやら桜の狂い咲きが見られるらしく、帰り花と聞くとみなさんスマホや携帯電話をとりだしてカシャカシャしては満足顔だ。家に帰ったら家族にでも見せるんだろうか。
また、二番目の句は昨日信貴山ハイキングコースを下りているとき足元ばっかり見ている自分に気づいた。考えてみると、登るときには時々は顔を上げながら行く手を確かめたしかめ足を運んでいるようなので、この花の少ない時期に帰り花があればきっと見つけやすいんではないだろうか。
今月に入って「帰り花」という兼題句に取り組んでいるが、何のことやら、拙宅の植え込みに白い日向ミズキの花がさいているではないか。灯台もと暗し。