掘り出して灰汁のぬるりの甘藷かな
植え付けから五ヶ月弱。
夏の高温と水不足に育ちがもう一つだったが、なんとか藷の収穫にたどりついた。
サイズがまちまちで腕はまだまだだが、そこそこ楽しめる程度には穫れた。
品種は昔から「紅あづま」にこだわっており、それは粉質がきわだって天麩羅が最高にうまいからである。
最近はこれに加えて「紅はるか」。紅あづまよりやや粘質で、かと言ってべちゃべちゃするわけでもなく焼藷にぴったりである。
大人になっても穫れても穫れなくても藷掘りは楽しいものだが、困ったことは掘りたての藷からしみ出す白いミルク。見たところまるで木工ボンドのようだが、指につくと黒く固まって、とくに爪先など風呂で洗ってもなかなか取れない。しかし、思うに、濃いミルクが出るということは澱粉が多いということであろうし、数週間追熟させるとこれが糖に変わって旨味、甘味が増すらしい。
天日に数日干してから室内に保存すれば半年はもつというので、晴天が続きそうな今週あたりは藷掘り、藷干し日和となるにちがいない。