藷日和

掘り出して灰汁のぬるりの甘藷かな

植え付けから五ヶ月弱。

夏の高温と水不足に育ちがもう一つだったが、なんとか藷の収穫にたどりついた。
サイズがまちまちで腕はまだまだだが、そこそこ楽しめる程度には穫れた。
品種は昔から「紅あづま」にこだわっており、それは粉質がきわだって天麩羅が最高にうまいからである。
最近はこれに加えて「紅はるか」。紅あづまよりやや粘質で、かと言ってべちゃべちゃするわけでもなく焼藷にぴったりである。
大人になっても穫れても穫れなくても藷掘りは楽しいものだが、困ったことは掘りたての藷からしみ出す白いミルク。見たところまるで木工ボンドのようだが、指につくと黒く固まって、とくに爪先など風呂で洗ってもなかなか取れない。しかし、思うに、濃いミルクが出るということは澱粉が多いということであろうし、数週間追熟させるとこれが糖に変わって旨味、甘味が増すらしい。
天日に数日干してから室内に保存すれば半年はもつというので、晴天が続きそうな今週あたりは藷掘り、藷干し日和となるにちがいない。

目論見

一株が二株藷の試し掘

初めての種類なので出来が気になる。

「紅はるか」という甘くて柔らかめという品種である。干し藷に可能かどうか確かめるために植えてみたのだが、どうやら順調に育っているようだ。名前の通り肌がすべすべときれいな紅色である。この分では今月末頃にはまずまずの太さのものが期待できるだろう。
先日、渓山さんご夫妻が立ち寄られてやはり試し堀だという新種のお裾分けをいただいたのが、熟成の時間をたっぷりかけているのでそろそろ食べ頃ではないかと思う。
我が家では、サツマイモを蒸かす、焼くということがまずなくて、まずは天麩羅である。つぎに藷けんぴ、煮物となる。今度はこれに干し藷を追加しようという目論見だがはたして。

紅吾妻

白線を引いて明日待つ藷掘会

蔓が刈られる。

刈られて堆く積まれている。
畝には1メートルごとに石灰の白線が引かれる。
区切られた部分がひとり分の区画らしい。
5月あるいは6月に植えた薩摩芋の収穫時期だ。
わが家でもプランター栽培にチャレンジしてみたが、手を突っ込んでみても手応えがない。やはりうまくいかなかったようだ。