爪楊枝二本使うて目刺かな
歯茎が衰えるとすきっ歯になるようだ。
そのせいで、いつの間にか楊枝の世話になることが多くなった。とともに、食卓の上には四六時中楊枝が置かれるようにもなった。
隙間が広がったので楊枝で簡単に取れることが多いのだが、それでもなかなか厄介なのが魚の小骨である。顎がはずれるのではないかと思うくらい大口開けては奥歯の裏と格闘する姿は、本人からすれば必死なのだが傍から見ていたら滑稽に映るにちがいない。
材料の木材も貴重になって高級な楊枝などふだん使いには買ってられないので、すぐに先がつぶれたり折れてしまったりで下手すると一本で済まないことがある。
目刺の骨程度ならそんなに格闘するほどでもないが、苦手なのがメバル、カレイなどの太くて固い骨。これらは下手すると歯に挟まる程度で済まないこともあって痛い思いもする。