エアロバイク

着ぶくれて保母独り占めする子かな

綿入れ半纏にくるまっていると脱げないものである。

肩や胸回りなどゆったりしているので、綿入れでも肩に重く感じないのがいい。水仕事をはじめとした家事など、動きを要するものには不向きだがやってやれないことはない。
はやりの室内着はほとんど化学繊維でできているので、静電気に悩まされたり、擦りけれやすく長くは使えないのが欠点である。おまけに、市販のものはだいたいが若い人向きに作られているのでタイトなものが多く、肩が凝る。ダウンの製品は暖かくてよいが、部屋着としては傷つきやすく長くはもたない。
けっきょく床に寝そべったり、胡座かいたり、ゆるく過ごすにはやはりセーターの上などに綿入れ半纏がぴったりする。
こう寒い日がつづくととじこもりっきりで体もなまる。ときどきはインドアの自転車漕ぎなどするも体力は落ちるいっぽうである。

寝正月

着ぶくれて腹たらふくに居眠りす

外は気温が上がらず、出渋っている。

昼の後、落花生を食べ出したらこれが止まらず腹にこたえるほど食べてしまった。
腹がふくれれば眠くなるのが相場だが、太陽も厚い雲のかげで部屋の温度も上がらず炬燵に足を突っ込んでいても一向に足が温まらない。
とうとう暖房まで入れて寒さをしのぐことになったが、さすがにビデオの途中で眠りに落ちたようで今日締めきりの稿の推敲もせずに終わってしまった。
正月も六日となると緊張感も薄れるのかもしれない。

極寒仕様

着ぶくれてふんぞり返る会釈かな
着ぶくれて突つきもされる胴回り

格好なんて構っていられない。

何ちゃら暖とかいう発熱下着の上にあれやこれや着込んでいざ、いざ。
よく見れば、周りもしっかり極寒仕様。
お互いに腹回りを指さして大笑い。
吟行に出て風邪を引いたではすまないのです。

不格好

着ぶくれの朝の洗顔跼まる
着ぶくれの背はますます親譲り

今日はよく冷えた。

ベッドから起きたら急いでいつもの重ね着。外へでかけない日はその格好で済ましている日もある。ゴミ出し程度ならそのままだ。近所の目も気にならない。
昔に比べれば随分かわったと自分でも思うが、実質的にはそれほどひどいとは思っていないからだ。

ただ、着ぶくれたままでは洗顔など水を使うときが不都合で、袖口の始末が悪いのには困ってしまうが。

すべり台

すべり台殿の子の着ぶくるる

奈良まちのある公園での光景。

保育園児十人ほどと保母さんが奈良公園の外れの小さな公園で遊んでいる。
めいめいの子をそれぞれ好きな遊具のところで遊ばせているのだが、そのなかですべり台の3,4人の子が目に映った。
すべっては登り、すべっては登りしているのだが、ダウンのコートを着た子がいつも決まったように列の最後なのである。

しまいにはすべり台にはすぐ飽きたようで、シーソーの方へ走ってゆく。

着ぶくれの子のすべり台すぐ飽きて