飛行機の神様

翡翠の谷津の木道かすめけり

県立民俗博物館は矢田丘陵の谷津を形成した麓にある。

博物館は県内の昔からの生活や風土を紹介する展示物があって、盆地の暮らし、山の暮らし、難波との物資交流などなまざまな歴史を知ることができるが、広い敷地には他に古い民家、商家を移築したものや梅園などもあって散歩に出かけてくる人も多い。
谷津となった部分には池や花菖蒲園があり、その周囲の森を巡る木道は木陰が心地よい。この池にはカイツブリのほかカワセミも棲みついているらしく、木道を歩いていたらすぐ近くを特徴ある鳴き声とともに碧い鳥がかすめ飛んだ。
谷津を流れる小川や湿地にひそむ餌を狙っているようだ。

昨日興福院で半夏生を見た返りに立ち寄ったのだが、よくここに来るという人に聞いたら、すぐ近くの矢田坐久志玉比古神社(やたにいますくしたまひこじんじゃ)の近くにビオトープみたいなものがあるらしく、そこでは半夏生も咲いてるよと教えてくれた。
この神社は神話から飛行機の神様として知られており、以前から一度行こうと思っていたところなので、近いうちに行ってみようと思った。

飛鳥川の宝石

足下を翡翠色がくぐりゆく

石舞台から飛鳥川にかかる玉藻橋を渡りしばらく行くと飛鳥稲渕宮跡に至る。

その近辺だったと記憶しているが、小さな橋に立っているとき股下をくぐるようにして翡翠が飛来し、瞬く間に飛鳥川本流に左折して視界の隅から消えていった。
翡翠(かわせみ)は「ひすい」とも読むが、元来「翡」はカワセミの雄、「翠」は同雌を表す文字で、ヒスイはカワセミの背の色に見立てて名付けられたもの。

夕方だったので背景は暗いが翡翠色はこんな感じ。(都下鶴見川支流で)