完敗

花吹雪くぐる観光バス沸けり
花吹雪フロント叩きバス沸けり

JR、バスを乗り継ぎ浄瑠璃寺へ。

いまどきまさに花の御寺で、

当尾は花巡礼の人の波

浄瑠璃寺は九体寺ともいわれ、平安時代の九体仏が唯一現存する寺として有名。関西花の寺二十五霊場、西国薬師四十九霊場ともなっていて人気の寺だ。あたりは当尾(とうのお)の里と呼ばれ、むかしは南都のお坊さんの隠棲の地で、塔が立ち並んでいたことからそう呼ばれるようになったとか。石仏も有名でハイキングに訪れる人が多い。

今日は、朝ちょっと手違いがあって、現地に着いたのがもう昼食時間帯。ゆっくり拝見する時間とてなく、自宅から現地に至る途中で見たものだけで詠むしかなく完敗。
心静かな状態におかないととても俳句にならないことを実感したのであるが、同時におのれの未熟さもさらしてしまったようだ。

市名の由来は

桜の井一夜で埋む芥かな

古井戸に降り敷く花の吹雪かな

桜井の井に花散りぬ花の散る

落花掃く人の未だに来たるなし

落花掃く能はぬなりし雨やまず

庭掃くを躊躇ひをりて花の散る

櫻の井

桜井駅を南に向け出発すると10分も行かないうちにそれはあった。

「櫻の井」跡。
夜来の春嵐で井戸に懸かる桜が一面に花を落とし、いわれが彫られた石碑も例外なく散った花びらをまとっている。
5世紀初頭第17代履中天皇がこの地においでになって、桜の花が散りかかるこの井戸の水を賛美されたということから「櫻の井」と呼ばれている。