采女の袖吹き返す

若葉風明日香の幣の揺れやまず

昨日は半日だけの飛鳥散策。

飛鳥坐神社

明日高校同窓生K君ご夫妻に飛鳥を案内するための現地調査を兼ねている。最近股関節の具合がよくなく、果たして無事に甘樫丘に登れるかを確かめるのも重要な目的。登り口はいくつかあるが、もっともなだらかなルートならば、ゆっくりゆけば何とかなりそうだ。
K君とはブログで毎日のように励ましのコメントを書いてくれるキヨノリ君のことで、今週ご夫婦で奈良、斑鳩、西の京など大和各地を回られている。折悪しく台風6号襲来で、今日などあいにく雨が降ったりやんだりしているが、ピークは今夜で明日朝にはもう抜けるという予報なので明日の飛鳥散策には支障ないと思われる。

明日のルートとしては、甘樫丘を降りてから飛鳥寺を経由して万葉文化館へ向かう予定。ここは一つ上の高いところを通る多武峰側の道にあっていつもなら車だが、明日はレンタサイクルの予定なので最短のルートを確認するべく飛鳥寺東の細道へ。そのとき今まで訪ねたことはない「飛鳥坐神社」の鳥居が目に飛び込んできたので迷わず立ち寄ることことにした。
ここは春の御田植祭(おんだまつり)で夫婦和合の踊りを捧げる奇祭の社としても有名で、いつかは行かなきゃと思っていたからである。子孫繁栄、子授かりの神としても有名な神様だ。

絵馬には子宝に恵まれるようにと

結びの神石

家族の健康を祈願して辞した。

掲句は志貴皇子の歌碑が甘樫丘登り道の途中にあったのに触発されて。

采女の袖吹きかへす明日香風都を遠みいたづらに吹く
 (萬葉集巻1-51)

薄暑

胸つきの回廊すがし若葉風

長谷寺本堂へ行くには、大門から入ってすぐに登廊をたどることになる。

その両側に牡丹園が広がるわけだが、長い直線をしばらく登ると今度は各一回ずつ右に折れ左に折れして本堂に近づくことになる。その最後の廊ともなるとこの時期うっすらと汗ばんでくるほどである。まさに「薄暑」という言葉がぴったりする感じだが、そういうときに廊を横切るように風が吹いてくるとほっとする。
上へ行くほど視界が開けているので、見渡せば左右はいつの間にか若楓。本堂の舞台に登れば山全体が見渡せて新緑の中に堂宇の瓦がきらめくようにまぶしい。

もし、長谷寺に行くならこの時期が一番のお奨めになる。