赤い根

菠薐草土に食ひ込む伐鋏

冬だとばかり思っていたら春の季語だった。

春菊も同じく春。
なるほど春菊は名前からみても春だというのだろうが、実際には鍋ものには欠かせないものなので旬はやはり冬ではないだろうか。作付けも九月ごろ種を蒔けば今ごろから収穫が始まる。
今日は間引きをかねて菠薐草と春菊を摘んできた。さっそくちゃんちゃん焼きとなって春菊を使ったら、鮭の生臭さが消えて実に香り高いうまいものに変身した。市販のものよりも春菊独特の香りが強いように思える。肥料を施さず草の力、微生物の力で育てるので、生育はゆっくりだが味が濃い。
今年の菠薐草は硬い土に太い根を潜らせて出来もまずまずのようである。昨年は小さいままで成長がストップしてしまったので、土の力がいくぶん改善の方向へ向かっているということだろうか。菠薐草は根が命なので、その命をいただくべく鋏を土深く差し入れて収穫した。寒さがまだ本格化してないので甘さがのってないかもしれないが、さてどうだろうか。

梅干の種

菠薐草さくりと顎の若さかな

菠薐草のお浸しは歯ごたえが命。これをしっかり噛めないと危険信号であろう。

何を隠そう、これまで歯には絶対の自信があったのだが最近揺らいできているのだ。3年ほど前に小梅の梅干しを奥歯で割ったときに一部を欠いてしまい、それ以来どうも具合が悪くて気がついたら上顎がすきっ歯になったような気がする。いつもの歯ブラシがまるで歯間ブラシのように歯間を簡単に抜けるようになっている。どうやら歯茎が後退しているようでもあり、歯医者に行かなくちゃと思いながらどうにも重い腰があがらない。

小梅の種の白いのをつっつくのが好きだったのに、歯が負けるのが恐くてもう3年もご無沙汰しているのは情けない。