大阪葡萄

即売とありて人無く葡萄園

家の前の坂を上ってゆくとやがて葡萄園が広がる。

道路に面して小屋のようなものがあって即売との看板があるのだが、そこに人がいた試しはない。この葡萄のシーズンでもである。
山の広い斜面を利用した葡萄園だからどこかで作業しているのにちがいないのだが、よほど忙しくて人手をさけないのだろう。
この山の向こうは大阪柏原だがそこも葡萄の産地。大阪の葡萄は近年人気が上がっているらしく、海外にも知られてきたそうである。
温暖化で栽培は大変だろうが、品種改良などで頑張っているかもしれない。

コガネムシの害

移ろひて色づきはじむ葡萄かな

コガネムシの被害がひどいが、葡萄が色づき始めた。

この虫はよほど葡萄の類いが好きと見えて、同じ庭のなかでも他の木には手を付けないが片っ端から葉を食い尽くしてしまう。取っても取っても切りがないくらいイタチごっこで、一旦ねらわれたら最後諦めるしかない。
網の目だけになった葉はかいわいそうなくらい惨めだけど、直射日光にさらされた肝心の実の方はと言えば、たいして日焼けもしないで頑張っている。この分でいくとあと1か月もすればいい色に熟してくれるかもしれない。

フルーツの季節

名産地地産地消の葡萄かな

隣の斑鳩町もそうだが、我が町三郷町も葡萄の産地である。

どちらかというと斑鳩町のは大規模ではないし、梨と併行生産しているケースが多く、古くからやっていることもあって固定ファンがついていて自宅の軒先などに並べてあるのを買い求めに来る光景をよく見る。
なかには、まったく流通にのせないで自己ルートですべてさばいてしまう農家もあって、こういうところと仲良くすると収穫予想やら出来映えなどの生の話が聞けて余計身近に感じるものだ。
とりわけ葡萄大好き人間の私としては、新しい品種の話などが出ようものなら身を乗り出して聞いてしまうのだ。