むせぶ

脚立探しゐる薄暑の納戸かな

風が入らないところは暑い。

ついこの間春になったかと思っていたが、もうそんな季節になったのかと驚く。
ここ数日の気温はひと月先のもので、今夕の夕立がもたらした風が肌にも心地よいくらいだ。
FAXの調子がいまひとつ悪いので、電話線と共用するべく今日工事してもらったが、モデムを置いてある納戸に入るとむっとするような熱にむせむ。
暑さは家の中より始まるのだ。

アブラムシ発生

前釦はずし薄暑の細うなじ
貝釦缺けたるままの薄暑かな

日中は避けて午後三時から農作業の真似。

やりだしたら、買ってきた苗を植え付けるまで止まらなくなった。
雑草を鍬でやっつけ、堆肥やビニール保護シートなど鳴門金時、胡瓜の床を整えてやっと植え付けだ。
急な暑さで蒸れたせいか、梅にアブラムシが大量発生しているのも発見。テントウムシ君もいっぱい取りついているが、彼らとてさばききれない量だ。枝をすっきり整えて、殺虫剤をふりかけてポリ袋へ。
そんなこんなで、汗びっしょり。
やれやれ。

ときの熟成を待つ

手に取りてなんじゃもんじゃの香に咽ぶ
園薄暑見るべきほどのものは見し

なんじゃもんじゃ(ひとつばたご)

ホームグラウンドの馬見丘陵公園へ吟行。

すっかり初夏の装いで、行くところ句材の山で、ひとところに落ち着いて詠むゆとりもないくらい。
締め切り時間ぎりぎりに何とか五句投句。
互選にはずいぶん拾っていただいたとは言え、満足度としては低いのが困ったもの。
自分のうちにおさめて時間をかけて熟成できればいいが。

麦茶がうまい

背嚢の飯を気にする薄暑かな

今日はとうとう気温30度を超えました。

無理すると熱中症になりかねないので、外の作業は10時が限界です。
もっと暑くなれば8時まで。
若い頃は真夏でも2ラウンドのゴルフをこなしたものですが、今じゃとてもとても。

冷やした麦茶がおいしい季節です。

係留中

懸崖の枝ともづなに浮巣かな

大仏池から大講堂を望む

転害門をくぐって東大寺山門内に入る。

くぐると言っても、実際は門自体は通行不能なので脇を通るのだが、そのまま真っ直ぐ行けば正倉院敷地でその突き当たりを右に曲がると大仏池を経て東大寺大講堂の北西裏手に至る。

大仏池はかつては写真正面に見える大木の辺りまで広がっていたというが、水路から流れ込む土砂によってだんだん埋まってきて景観を損なっているので浚渫を検討しているという。
大仏池の浮巣
年々狭くなる一方の池ではあるが、鳰は変わらず巣を営んでいるようだ。写真をアップしてみてください。真ん中部分小さなシルエットですが、池に被さるように成長した大木の枝に舫うようにして巣を編んでいるのが見えると思います。鳰としてはなかなかうまく考えたもので、浮巣とは言うもののこれなら簡単に流されることはないだろう。

鹿の糞いよよ匂へる薄暑かな

奈良公園は日が昇り暑くなるとともに、鹿の糞の匂いが強くなってきた。まして雨後となればなおさらである。

ゴルフ日和

ゴルファーの罰打駆け足薄暑かな

マイファーム周辺のたんぼ道をウォーキングする人が多い。

そのうちの一人に聞いたところ、目前の丘陵を登ると松尾寺にも近いという。
ファームを少し登ったところで法隆寺カントリーというゴルフ場を横切る形で頂上への道がつながっているらしい。
確認のためゴルフ場まで行ってみると、たしかにホールとホールの間を縫うように山道が走っており、そこをカートが横切るわ、頭上には球避けのネットがあるわで、左右上下を気にしての通り抜けになる。

おりしも四人組がグリーンへの二打目。ナイスオン、池ポチャ、バンカー、グリーンオーバー各1名とバラエティに富んだ結果となった。
オートでグリーン外れまで先行しているカートまで、件の池ポチャ氏は番手の違うクラブとボール、ボール浚い棒を取りに往復する羽目になった。