葛城の雲となる

春めくに腕の骸は冷えおりぬ

猫の逝くせめて手向けの蘭黄色

今日ほだかの葬式を済ませました。
大好きだった品々や六文銭を持たせて。
棺には咲いたばかりの黄色いカトレアも添えてやりました。

薄氷や荼毘の煙の雲となれ

霊園の池には薄氷も見られましたが、天気そのものは久しぶりに一日中晴れてくれました。
霊園は竹内街道そばでしたので、荼毘の煙が葛城山の雲となり、ほだかの魂も高くのぼっていったと思います。

葛城の 峰に湧きたつ 雲なるは
   愛しきものの 魂なるべし

合掌。

首筋

髪刈る日黄色き蘭のほころびぬ

この時期の髪切りは四温の日に限る。

うっかり寒い日に髪切りしようものなら、店を出たとたんゾクっとくるもんだ。
この日、室内の温室をのぞいたら黄色の小さなランが顔をみせている。
午前中に駅前の床屋さんでさっぱりしてきた。