さまようて銀の道筋蛞蝓
ナメクジの季節となった。
庭のものをめくると出てくる出てくる。
だんご虫やらなめくじ。
シロアリでないのが幸いではあるが。
同じ仲間の蝸牛は木の幹を這ったり地上より高いところにいるが、ナメクジは大地にしっかりしがみついて這い回るのが性分である。ところかまわず這い回ったあとは、晴れた日など日に青く光っていさえもする。足跡をたどると狭いところをぐるぐる徘徊したり、その足跡にはおよそ目的というものを感じない。かれらの行動には何らかの意味があり行き当たりばったりというわけではないだろうが、ずいぶん遠回りな人生を歩んでいるではないか。
人もまた一直線に生きるというのはむずかしく、あっちへよろよろこっちへよろよろしているのであるから似たようなものでもあるか。