蜘蛛の子の目鼻手足のおぼつかな
蜘蛛の子の孵るや散るのさだめかな
蜘蛛の子の散るは人間踏めぬ道
蟻よりはるかに小さい。
ごま粒ほど小さいという言葉があるが、人の目から見れば粒にもならない、まさに点でしかない存在。うっかり指を置けばつぶれてしまいかねない儚い存在である。
そのコンマ何ミリかという小さな紅い点々がブロックの上など、注意してみなければ気づかないところを集団となって移動している。
袋から孵ったらまづはどこかへ行かなければならないとばかり、いっせいに動くのだ。いったいどこへ行こうというのか。