まだら模様

コンバイン田を掛け持ちて豊の秋

平群谷が動き出した。

生駒市との境界に近い、標高の高いところから稲刈りが始まり、裾野へかけて広がってきている。
地形からいってそれぞれの田はそれほどの大きさはないため、俯瞰するとまだら模様が目立つがそれもまた美しい景色であろう。

古さの残る

コンバイン公道行ける豊の秋
収穫や県道塞ぐコンバイン
レンタルの農機出払ひ豊の秋

「収穫」と書いて「とりいれ」と読む。

「稲刈」の傍題である。
(俳句では名詞には送りかなをつけないのが原則である。動詞「稲刈る」の連用形「稲刈り」と区別するためである。)

今、大和盆地は稲刈りの真っ最中。この週末はおそらくピークを迎えると思えるが、今週は天気がちょっと心配なところ。
田の広さに比べるとえらく立派なコンバインが、あちらこちらの田で見かける。飛鳥や三輪方面に行くとき必ず通る県道には某農機メーカーの営業所があるのだが、いつもなら機械がいっぱい並んでるヤードが今日はほとんど空っぽ、農機は出払っているようである。
県道の何カ所かにはコンバインが県道を通ったり横切った跡とみえて、泥が点々とこぼれていたし、稲刈りを終えたコンバインや軽トラが渋滞を引き起こしたり、それでも誰も文句を言わない。

春や秋には公道をナンバーのない耕運機が何事もないような顔をして、のんびりと堂々と行き帰りする。大和にはまだまだ古い部分が残っている。