すずめのてつぱうまたはげんげの飛鳥かな
紫雲英田のきぎす隠れの飛鳥かな
久しぶりに飛鳥散策。
いつもの公園が駐車待ちするほどの大混雑で、飛鳥の晩春もいいかと足を伸ばしたのである。
まずは飛鳥寺の桜吹雪に打たれ、万葉文化館周辺を散策。
田の半分くらいはレンゲが咲き乱れ、もしくは雀の鉄砲が風に靡いている。
甲高いというか、やや低めだったか野太い雉子の雄の一声に振り向くと、すっぽり隠れるくらいに高く伸びた紫雲英田にちらちら動くものがおる。雀隠れと言うよりは雉子隠れと言ってもよさそうだ。
見渡しても田に出ている村人は一人もなく、飛鳥の田が動き出すのはまだしばらく先と見ゆる。その間は雉子君も安心して逍遥を愉しむことができるというわけだ。