ハマの酉の市へ

留守番を客にまかせて酉の市

「ちょっと行ってくるから留守番しててね」

スナックのママがカウンターに客を置いたまま、さっさと熊手を求めに出て行く。
馴染みというか、贔屓の客がついていったので、きっとご祝儀もはずむんだろう。
残された客は水割りを自分で作っては飲み、自分で端末を操作してはカラオケのマイクを握る。
それにしても、このまま店をほったらかして帰ってしまうわけにもいかないし、いつまでこんなことをしてればいいんだろう。

外はどんどん冷えてきたようだし、水割りもどんどん濃くなってきた。

“ハマの酉の市へ” への4件の返信

  1. 三年前、酉の市(三の酉)に出かけたのを思い出しました。
    人、人、人で大変な混雑でした。小さな熊手から大きな熊手まで中味も工夫されていました。
    値段の交渉も面白く、下げてもそれ以上にご祝儀をはずむのが決まりごとのようでした。手締めも気持ちよく、晴れやかな気分になりました。
    句のママさんも、商売繁盛を願って店に飾るにふさわしい熊手を持って、もうじき帰ってくることでしょう。ホットウイスキーで温まってのんびり待つとしましょうか。

    1. 今年は二の酉(23日)までですね。同窓会の帰りにでもどうぞ。
      水割りよりホットウィスキーの方がよさそうですね。
      酉の市はどうしても夜が本番ということで、寒さも一入こたえます。また暖かくしてお出かけください。

  2. そうだ、十一月と言うと酉の市なんですね。縁起物、売る方も買う方もパアッ~と気前よくが身上なんでしょう。店に置かれた熊手にご祝儀が差しこまれている。いいなあと思うものの差しこんだことはありませんけどね。

    1. この「熊手」も季語なんですねえ。それも掃除用のものではありません。

      何やらがもげて悲しき熊手かな 虚子

      関西で言うえべっさんの笹飾り版でしょうな。人波に押されたのか飾り物がもげてしまって、あわれな熊手とちょっと悲しい男の顔が浮かんできます。このシンプルでいて巧みに人の表情までもすくい取る。虚子の真髄とも。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください