留守番を客にまかせて酉の市
「ちょっと行ってくるから留守番しててね」
スナックのママがカウンターに客を置いたまま、さっさと熊手を求めに出て行く。
馴染みというか、贔屓の客がついていったので、きっとご祝儀もはずむんだろう。
残された客は水割りを自分で作っては飲み、自分で端末を操作してはカラオケのマイクを握る。
それにしても、このまま店をほったらかして帰ってしまうわけにもいかないし、いつまでこんなことをしてればいいんだろう。
外はどんどん冷えてきたようだし、水割りもどんどん濃くなってきた。
めざせ5000句。1年365句として15年。。。
留守番を客にまかせて酉の市
「ちょっと行ってくるから留守番しててね」
スナックのママがカウンターに客を置いたまま、さっさと熊手を求めに出て行く。
馴染みというか、贔屓の客がついていったので、きっとご祝儀もはずむんだろう。
残された客は水割りを自分で作っては飲み、自分で端末を操作してはカラオケのマイクを握る。
それにしても、このまま店をほったらかして帰ってしまうわけにもいかないし、いつまでこんなことをしてればいいんだろう。
外はどんどん冷えてきたようだし、水割りもどんどん濃くなってきた。
三年前、酉の市(三の酉)に出かけたのを思い出しました。
人、人、人で大変な混雑でした。小さな熊手から大きな熊手まで中味も工夫されていました。
値段の交渉も面白く、下げてもそれ以上にご祝儀をはずむのが決まりごとのようでした。手締めも気持ちよく、晴れやかな気分になりました。
句のママさんも、商売繁盛を願って店に飾るにふさわしい熊手を持って、もうじき帰ってくることでしょう。ホットウイスキーで温まってのんびり待つとしましょうか。
今年は二の酉(23日)までですね。同窓会の帰りにでもどうぞ。
水割りよりホットウィスキーの方がよさそうですね。
酉の市はどうしても夜が本番ということで、寒さも一入こたえます。また暖かくしてお出かけください。
そうだ、十一月と言うと酉の市なんですね。縁起物、売る方も買う方もパアッ~と気前よくが身上なんでしょう。店に置かれた熊手にご祝儀が差しこまれている。いいなあと思うものの差しこんだことはありませんけどね。
この「熊手」も季語なんですねえ。それも掃除用のものではありません。
関西で言うえべっさんの笹飾り版でしょうな。人波に押されたのか飾り物がもげてしまって、あわれな熊手とちょっと悲しい男の顔が浮かんできます。このシンプルでいて巧みに人の表情までもすくい取る。虚子の真髄とも。