夜目にも白く

お悔やみを述ぶ息白し通夜の客
連れ立ちて通夜の後尾に息白き
通夜席に知る辺見つけて息白く

通夜という席で言葉を交わすのはせいぜい受付の記帳のときくらいだ。

あとはご焼香までひたすら沈默の時間となる。
そういうとき通夜の列の中に顔見知りを見つけたりすると、ほっとするところがある。
手短に挨拶を交わし、故人の話から、ときには自分たちの近況を確かめ合ったり。
席を辞したら、駅前辺りで旧交を温め合ったり。
屋台ではおでんの湯気に包まれて、家路につく頃には息はいっそう長く引いている。

“夜目にも白く” への2件の返信

  1. ここ最近お通夜、葬儀が立て続く。
    今日も受講中に訃報が入った。
    両親を相次いで失くされた方もある。
    そして喪中欠礼のハガキは10数通。
    常になく年賀状を早めに仕上げたため、抜き出している。
    最高齢者106歳の訃報があり90代は今や当たり前と言う感じである。
     

    1. 同輩の喪中葉書はたいていが父母、義父母の訃報で、みなさん90年以上を生きてこられた人が多いですね。
      縁のない土地に引っ込んでしまいましたので、句のように弔問にはなかなか行けません。自分の葬式も身内だけで行ってくれればいいと思います。

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