地上駅

サブウェイの地上に出でて日脚伸ぶ
髪切に寄って帰ろう日脚伸ぶ

夕方は随分明るくなった。

日の出は相変わらず遅いが、入り日の時刻がずんずん速くなっているようだ。
考えてみれば、冬至から一ヶ月ちかく暦は進んでいるわけで、夏至に向かって北半球はまだ5か月くらい日脚が伸びていくわけだ。
木曜日が大寒というから寒さはこれからピークだけど、その一方で春に向かっていることが実感できる景色というものを考えてみたのが掲句である。いつも乗る地下鉄が、郊外に出ていつの間にか高架を走っている。入り日はすでに没したようだが空はまだ夕明かり。いつも利用する駅に着いてもまだ明るさは残っており、ちょっと本屋にでも寄っていこうかという気になった。

ネット検索でいいなと思ったのが、

鮒釣の竿の先まで日脚伸ぶ 吉江潤二

一月も半ばを過ぎるようになると、ふとした瞬間に日脚が伸びたなと思うことはどなたでもあるのではないだろうか。

“地上駅” への2件の返信

  1. そうですね、やはり1月も半ばを過ぎると日脚が伸びたって感じます。「日脚伸ぶ」、日常会話でもよく使われる。いい日本語だと思います。

    地球の自転軸が傾いている。それも23.5度という絶妙な傾き具合のお陰で昼夜の長短が変化し四季が生まれる。これも神の匙加減でしょうか。そしてその恩恵を一番こうむっているのが日本なんでしょう。

    1. 四季感覚が研ぎ澄まされて和歌、俳句など日本独自の詩歌、文学があると考えれば、なんと素晴らしい国に生まれたものよと感謝したくなりますね。
      資本主義はその場をグローバル、はては宇宙にまで求めて留まることをしりませんが、土地に根ざした暮らしに身のほどを合わせると穏やかな毎日こそ無上のものと思えてきます。

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