着火

春雨や燐寸擦ること二度三度

燐寸箱などというものは、今どきほとんど家庭に置いてないだろう。

目にすることがあるのは、寺や墓地などに備えてある大きな燐寸箱である。
蝋燭や線香などを灯すために用意してくれてあるのだが、野外などにあるものはときに湿っていてなかなか発火しないことがある。軸の燐がふにゃふにゃで使い物にならなくて、何本も軸を変えてようやく点くこともある。少なくとも一回や二回ですぐ着火したという記憶は薄いものがある。箱のやすり面がやられている場合は最悪である。
最近では、着火用ライターに替わられているケースが多く、これはこれで便利なものだが、難点は風に弱いことである。燐寸ならば、発火した瞬間の炎の勢いを借りて蝋燭などに移すこともたやすく心強い。
彼岸にはまだ日があるが、お参りするときは念のための予備としてライターは必携であろうか。

“着火” への2件の返信

  1. 今時の子供はマッチなんて擦った事はもちろん見たことのない子もあるでしょうね。
    仏壇の引き出しには必ずマッチが入っていたしお墓参りには欠かせないものでした。
    それと喫茶店や飲み屋さんにも宣伝用のマッチが置いてありました。
    お風呂も薪を焚いていたのでマッチは必需品。
    スイッチポンで「もうすぐおふらが湧きます」「お風呂が沸きました」なんて聞いたら明治生まれの人は腰を抜かすかもね。
    マッチの擦り方にもちょっとしたコツがある。
    そういえば子どもの頃マッチのレッテルを剥がしてノートに貼って集めていましたね。

    お彼岸も間近になりました。
    暑さ寒さも彼岸まで、待たれます。

    1. そうですねえ、今どきの子供は燐寸が擦れない子が多いんでしょうね。BBQだって着火ライターに着火タールですからね。燐寸を擦って火をおこすなんてよほどの子じゃないと経験したことがないでしょう。
      奈良に春を呼ぶお水取りの「お松明」が1日から始まりました。14日まで続きます。

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