父に出て子らはシリアル寒卵
「卵より海苔が好き」「ふりかけがいい」。
子供は卵が好きだというが、それは卵焼きのことであって生卵ではないのではないか。
現にわが家の子供たちは卵かけご飯より、圧倒的に納豆ご飯が好きだったし、家人もあまり好きではなく食卓に滅多に生卵が乗ることはなかった。家人はいまでも海苔派。おかずがなくなると残りのご飯を海苔だけで食べている。
そう言えば、家人に懐いた先々代の猫も海苔大好き。しかも上等かつ湿気てない海苔にかぎるのだ。グルメだったのである。
いっぽうで自分だけ卵かけご飯を食いたいとは大きな声で言えず、せめて句の上では逆説的オマージュとして家父長の威厳を取り戻すのである。
子どもの頃、生卵は貴重で運動会の時ぐらいしか食べられなかった。
今は物価の中では年中安定した価格の優等生である。
そうなると不思議なもので有難味も薄れてしまう。
卵のみの単独料理なんて滅多に作らないしモーニングサービスのゆで卵ぐらいである。
しかし冷蔵庫に卵は欠かせない。
いつ何時卵が必要になるかわからないからである。
海苔の好きなグルメ猫ちゃんと言うのも珍しい。
今年も恵方巻が店頭に並ぶ時期であるが今年は廃棄処分を防ぐため販売方法が工夫されているという。
デパートでは一本七千円台のものが売られていて驚いた次第である。
ちなみに今年の恵方は東北東とのこと。
家人には変な迷信があって、卵は一日一個以上食べては体によくないという。だから、すき焼きの卵も一個限定。健康管理してくれるのはありがたいが、ある程度は幅をもってもらいたいもの。
あの子は海苔の銘柄は香良洲産がベスト。安物や味付海苔は絶対口にしませんでした。パリパリしながら囓っているのは滑稽でしたよ。
恵方巻の習慣がなかったので、わが家では口にしません。もともと太巻きは苦手で、鮨屋でも巻物は口にしたことがないくらい。せいぜい軍艦ものでしょうか。