風おさへ水おさへつけ鴨降りぬ
蹼は前へ進めるだけではなく、方向やスピードの制御をもコントロールするようである。
翔つときは水面を蹼で何度も蹴りながら助走スピードを稼ぎ、着水の時は蹼で水面を抑えるように着水する。
翔つときにくらべて着水の滑走路は案外コンパクトである。
それは離陸の主役はキックであり、十分に加速するには時間がかかるからである。対して着陸は、そのスピードを殺すのは逆噴射するように広げる翼なのである。もう十分にスピードが落ちたとなって、両足を踏ん張って水面にブレークをかけて着水するのである。
実は、鴨の着水にはこういう句がある。
太き尻ざぶんと鴨の降りにけり 阿波野青畝
このような句があると、後進は実にやりにくい。
蹼の機能ってすごいですね。
最近は寒さに負けて散歩もままなりません。
晩秋の頃に橋の上から眺めた光景を思い出します。
あれは鴨ではなく鵜だったような、餌を取る為か一瞬潜って次に姿を見せた距離があまりにも長くて驚きました。
そうです。潜水で進む距離はカイツブリに比べると想像以上に長いようです。いったん潜るとどこへ浮くかと探すのもウオッチングの楽しみです。