命の明滅

凍蝶の虫の息なるもののかげ

びっくりして少し反応したようだった。

大根の葉をめくったとき、息も絶え絶えの白い蝶がわずかにはばたいた。が、それもほんの一瞬のことでその後は死んだように横たわっている。凍蝶とは言えいま命が尽きようとしている蝶なのだ。
抜くつもりの大根だったが、一生を全うしようとしているものへの敬意から元のように葉を戻した。
わずかな、ほんのせまい土地、世界にもこうして無数の命がうまれ消えようとしているのだ。

“命の明滅” への2件の返信

  1. 蝶は何千キロを飛ぶと聞いたことがあります。
    この蝶は凍え死んでしまう寸前の蝶でしょうか?
    儚い蝶の一生、どんな生き方をしたのでしょうね。

    1. アサギマダラが有名ですね。
      沖縄はては大陸からはるばる風に乗って飛んでくるとか。
      ここ奈良でも通過点として帰途のフジバカマ求めてやって来ます。その頃見かけるのは南へ帰る旅の途中で英気を養っているとか。
      実際に庭に植えたらやってくるそうですよ。

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