嗅覚の春

風止んで匂ひたちたり春隣

風止みて 土の香のぼり 春隣

春の知覚は視覚よりも嗅覚のほうが勝っているのではないか。

古い農家の前を通りかかったとき、一瞬間であるが春の土の匂いがしたのだ。この匂いは土の種類が違っても関東のものと同じで、同時に懐かしさや親しさも感じるものであった。
確かに冬萌えなど寒の中に春を見いだすこともあるが、それはあくまで心象や「願望」としての春にすぎないものだ。対して匂いというのは、たとえ局所とはいえその場の空気そのものが具象としての春になっているのではないか。

“嗅覚の春” への6件の返信

  1. 春の土の匂いですか、それわかりますよ。一瞬にしてどこかを何かを思い出したりします。嗅覚というのは素晴らしいものです。それに気がついて、いい句になりましたねえ。
     もうすぐ沈丁花が咲きそうです。

    1. 春の宵の沈丁花、あの香りはいいですねえ。どこと見えなくも、そこはかと漂う春の訪れが心を浮き浮きとしてくれます。

      ここんところ、俳句の調子がよくて悩まずに出てきます。内容はともかくね(笑)ので、今月の「ためいき会」は珍しく投句済みだったりして。

  2. な~るほどね~
    視覚よりも嗅覚、わかりますね~
    土や草の匂い、はたまた春一番に咲く花の香り。
    そこはかとなく漂う春の訪れは視覚よりも嗅覚で体感しますよね。
    言われてみてなるほどと気づきました。

    昨日暖かさに誘われて冬萌えを探しに行きました。
    冬萌えどころかまっ先に目に入ったのが堤防の改修工事で露わになった斜面一面のコンクリートの塊。
    何故?いくら水害対策といえどもこれはひどい。
    工事の期間延長で通行止めはどんどん増えるし草や土も姿を消し殺風景な景色に変わっていくかと思うと悲しい・・・
    近くにいた工事関係者に聞けばこの上に土を入れますとのことでしたがどんな姿に変身するのやら嘆かわしい思いで帰路に着きました。

    1. どこでもやってる期末の予算消化工事ですね。河川の管理部署は国交省だったり、都府県の河川管理事務所だったりで、まずは美観や環境という視点は無いに等しいものです。もちろん当の担当部署は河川保全という職責は果たしているわけですが。

  3. ”土の匂い”ですか。何となく宮沢賢治をふっと思い浮かべますね。
    都会や住宅地では体験できないですね。
    今朝もNHKの朝の番組の中で、奥多摩市が定年退職者を呼び寄せるため、宿泊型体験農園の募集を行っていることや、既に契約し畑をやっている体験者のインタビューをやっていました。団塊世代を中心に人気があるそうです。
    これから春に向かって、雪が解け、太陽に温められた土から蒸気が立つとともに、匂いも一緒に立ち上って来るのでしょうね。待ち遠しいですね。
    現在、畑の準備として、作付するものの選定とレイアウト等を作成中です。4月に入ったらまずは土づくりから始めないとね。4月下旬にはジャガイモの種芋の植え付けとトウモロコシの種まきがあります。

    1. 住宅地でも、雨の翌日などが暖かい日だったりすると庭の辺りから春の匂いが漂ってくるのではないですか?
      人間、とくに日本人というのは太古から農耕民族ですから土の匂いは郷愁をさそうものなんでしょうか、リタイア後の菜園、農園というのは人気ですね。

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